フラッシュ戸について

Date
2006-12-13 (水)
Category
フラッシュ戸について

フラッシュ ドア(戸)

「フラッシュ」とは、英語の“flush(形容詞:同一平面の・・・、同じ高さの・・・)”から名づけられたと考えられます。

すなわち 横桟・縦框等の骨組みの両面から 合板などを接着し 表面に桟(さん)組子の無い戸のことです。
また つぎのような定義 木材、またはそれに準ずる材料で作った骨組みに、各種合板や板材などを、
両面または片面に接着剤等を使用して貼った建具及び間仕切りパネルなどの総称 とされているものもあります。

フラッシュの種類:形状からの大分類

1.無地フラッシュ
2.額入りフラッシュ
3.ガラリ入りフラッシュ
4.額・ガラリ入りフラッシュ
形状からは上記4分類に大別され 各種のデザインは このいずれかの派生です。

製作方法からの大分類

1.貼り流し(べた貼り)フラッシュ:骨組みの上に合板をそのまま貼ったもの
2.組(レイアウト・縦横)貼りフラッシュ:合板を框、横桟(上・下桟、小桟)、
 縦束の見付寸法に合わせて切ってから貼り、框組の建具に似せて作ったもの。
の 2分類に大別される。

以下、工法、材質などの詳細

フラッシュの材料

フラッシュの主たる材料は芯材と合板です。それに加えて大手材(横手材・木口材)、額、ガラリ、硝子などの付随する材料が必要です。

1.芯材
芯材は フラッシュの骨格であり 製品強度に直接関わる重要な材料です。
現在 一般的に使われているものとしては
①平割り材(Lumber)
②練り芯(Lumber core)
③平行合板(LVL:
④ランバーコアボード(Lumber core plywood)
⑤パーティクルボード(Particle board)
⑥M.D.F(Medium density fiber board:中密度(比重)繊維板)

①平割り材(Lumber)
丸太から 製材(大割り)をして框板にしたものを 平割り材といいます。
平割り材を再度製材(小割り・木取り)し木取り材として 使用するもの。

②練り芯(Lumber core)
平割り材を数本 練って(接着・横接ぎ)して集成の木取り材としたもの。
木材の小片まで集成するため、反りやねじれなどの狂いが出難い。
また木材の有効利用の観面からも利点がある。

③平行合板(L.V.L)
厚さ3mm程度の板材(単板)を、同じ繊維方向に貼り合わせた合板。
材料は、南洋材(広葉樹)や針葉樹がつかわれる。
使用上の注意点は見込方向に積層されているため、木端挽きにして積層面(木端)を見付にした方が良いでしょう。
見込方向に積層されていることで、見込方向に限定して反りが発生するからです。

④ランバーコアボード(Lumber core plywood)
練り芯の両面に合板を接着したもの。

⑤パーティクルボード(Particle board)
木材削片を結合剤で熱圧成形した板で割れ・反りが少ない。
乾式繊維板、削片板、チップボードとも呼ばれます。
ホモゲンホルツ、ノボパンなどの商品があります。
比重が重く、その割に木ネジの効きが良くないので使用に関しては注意が必要です。
また 吸水性が強く 非常にもろくなるので この点にも十分な注意が必要です。

⑥M.D.F(Medium density fiber board:中密度(比重)繊維板)
前項のパーティクルボードとほぼ同様のものですが、パーティクルボードが木材をチップ状にしているのに対し、M.D.F.はさらに細かく繊維状にしたものを結合剤で熱圧成形した板です。
特性はパーティクルボードの欠点を補うべく向上していますが、今のところでは、耐水性、対衝撃性などまだまだ改善の余地を残しています。
しかし、木材を繊維状まで粉砕して使用するため、材料を余り選ばずまた極薄物と呼ばれる厚さ1mm程度の板まで製造されるようになり今後の合板に変わる材料として注目に値します。


フラッシュの材料2.表面材・大手材

2.表面材
フラッシュに 使用される表面材は、およそ平面のものであればどのような物も、表面材となりますがここでは代表的なものを 挙げておきます。

①クロス合板・・・ラワン合板・しな合板等の各種突き板合板
②化粧合板・・・・前述のラワン合板や薄物MDF等の表面に化粧加工を施した物
ポリ合板・プリント合板・塩ビ合板・メラミン合板等
③珪酸カルシュウム板
④薄物MDF
⑤アルミ板・鏡類など
その他 様々な表面材が ありますが、扉のソリ・ネジレ防止の為には 表面の張引力を出来るだけ平均化することが必要です。

また 表面材を接着する 接着剤の選択も 重要な要素となります

1.大手材

フラッシュの木口を 大手・横手と言います。
この部分を 隠すための 材料を大手(横手)材といい 従来のむく材に加え 突き板テープや塩ビテープなどの大手テープが 開発されています。
むく材を貼った場合には、現場の削り込みが可能ではありますが、見出し寸法が大きいところ小さいところが できてしまい見栄えが悪くなってしまうこともあり、また削り込みの後 塗装などの化粧が必要となります。
大手テープは テープそれ自体の厚みが0.25mm~0.45mmと薄いため 見付け側からはほとんど見えない利点があります。
しかし 接着方法により また下地の状態により 剥がれやすいという問題もあります。
いずれも 一長一短を 持ちますので 条件により 使い分けることが必要だと思います。
また上記とは異なり トイレブースなどには アルミやステンレス製の大手材も出回っております。これらは T字型・L字型・コの字型や軸吊丁番用のアール加工を施したものやゴム製クッションを付けたタイプなど 木にはない加工のし易さや水周りでの使用を考慮した材料といえます。

2.額・ガラリなど

額は フラッシュを窓抜きし中に パネル(鏡板)や硝子を嵌め込む時の押さえとして使用します。
額の材料は、むく材の無塗装品から表面材の化粧に合わせて塗装したものや 表面材が、塩ビや化粧紙の場合に それと同様な材料でラッピングしたものなど その用途やデザインにより 使い分けをします。

ガラリは、例えばトイレなどの狭い部屋の場合に 空気の逃げる場所がないことで、閉まらない(開かない)と言ったことの無い様に 空気を流通させる役目を持ちます。
また エアコンなどの 給排気が必要な場合にも使用します。
形状には 片流れ・山型・水平羽等々のものがありますが、使用する場所・目的によって使い分けをします。
ガラリの材料は、むく材・アルミ材・プラスチック・ラッピングされたものなど色々とあります。


フラッシュの材料 3,接着剤

フラッシュは 芯材と表面材を接着剤を介して接合すること=「接着」によって 扉として成り立ちますが、
この「接着」とはどのようなことでしょうか。

簡単に 接着の概念を解説しますと「フラッシュのような木質系同士の接着では、2つの接着体(芯材と
表面材)の表面にある木材の導管などのちいさい窪みに 接着剤が入りこんで硬化し 釘のような働き
を している状態だと言えます。

フラッシュに よく使われる接着剤としては、
①酢酸ビニル系接着剤 (酢ビ・白ボンド)
②クロロプレン系合成ゴム溶剤型接着剤(ゴム糊・速乾)
③尿素系接着剤など
が あります。

①酢酸ビニル系接着剤
酢酸ビニルの重合により得られる熱可塑性樹脂で 略称PVAo。主としてビニロン繊維などの原料として
使われるが、溶剤に溶解して接着剤、塗料に用い また乳化重合のエマルジョンにしたものを接着剤、
壁用塗料に用いる。
木材を始め木質系の材の接着には、必要かつ十分な強度が得られる。と同時に取り扱いを含めた作
業性も良好で、通常のフラッシュの表面材を貼る場合に 最も適した接着剤だと 言うことができます。
ただし 同じ酢酸ビニル系接着材といっても 製品により成分の割合、粘度、堆積時間、加圧時間、養生
時間など様々な差異や特徴があるので、生産の諸条件を考慮し選択をする必要があります。

②クロロプレン系合成ゴム溶剤型接着剤
クロロプレンゴムとは ビニルアセチレンに塩酸を作用させて得られる揮発性液体=クロロプレンを酸素
の存在で重合させたものです。強靭で 耐油性・耐老化性がよい特徴をもちます。
酢酸ビニル系接着剤では不可能な非木質系材(例えば メラミン化粧板・金属板など)の接着が可能です。
クロロプレン系合成ゴム溶剤型接着剤を取り扱う場合には、溶剤を使用しているので、火気に注意するとともに、作業中の換気にも十分気を配る必要があります。

③尿素系接着剤
縮合形合成樹脂で、尿素とホルムアルデヒドとの縮合によって得られる。濃縮したままのものは接着剤、塗料および樹脂加工用に、充てん剤を加えて加工成形したものは、着色が自由でかつ安価であるので食器類、電気器具類、建築材料用などに利用される。耐水性にやや難がある。


フラッシュの製造工程について

フラッシュの製造工程は およそ次のようになります。
①芯材を用意し 各部寸法に合わせ 横切り機(Cross Cut Saw)にて正寸に 切断する。
②用意された芯材を 組立て台の上で 指示された形状に組み合わせ タッカー釘を 使って芯組みを行う
③芯組みが完了した後、表面材との 接着工程に入る。接着は 接着剤をロールコーター糊付け機を用い 芯材の両面に均一に塗布し 芯材の両面に表面材を貼りホットプレス 若しくはコールドプレスにて 圧着を行う。圧着時間は 使用する糊・外気温・扉厚み等々の諸条件によって夫々異なります。
④プレスが終わった後、一定の養生時間を経て 寸法カット(高さ・幅寸法)をダブルサイダーやパネルソーを使用して行う。 
⑤エッジバインダーを使い大手貼りを 行う。

フラットパネルのフラッシュはこのあと 金物加工を施して 仕上がりとなります。
窓付・パネル一段落としやガラリ入りの場合は ⑥以降の作業が必要です。

⑥NCルーターやハンドトリーマーを使い、窓穴等の空き加工を行う。
⑦予め 用意されている 額 ガラリ を接着剤・タッカー釘を使用して止めます。
⑧金物加工・硝子入れ加工等を施し フラッシュドアの仕上がりとなります。

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